数十年にわたる経験と豊富な導入実績をもとに、シンテゴンは外観異物検査機の製品ポートフォリオをさらに進化させました。機械設計エンジニアであるセバスチャン・フィッシャーが、なぜ検査技術において共創が重要なのか、そしてそれがお客様にどのようなメリットをもたらすのかをお話しします。
主要ポイント
- AIM9の開発:長年の知見を活かした、未来に備えるソリューション
- 多様な顧客ニーズと製品仕様に対応する、モジュール式で柔軟なプラットフォーム
- 高速外観検査と安定した搬送に、CCIT を統合
- シンテゴンの標準設計により、統合性と操作性が向上
新型AIM9の開発におけるあなたの役割を教えてください
私は本プロジェクトの機械設計エンジニアリーダーとして、AIM9の設計全般を担当しました。製造現場における外観や操作性だけでなく、何よりも速度、コスト、柔軟性といった多角的な観点からお客様の要件にどう応えるかにフォーカスし、設計しました。とりわけCDMO(医薬品受託製造機関)にとっては、特性の異なる複数の製品や、さまざまなバイアルサイズに一つのプラットフォームで対応できることが重要です。そこで新型AIM9は、高度にモジュール化された標準プラットフォームを採用し、お客様と共創しながら、個別の検査内容や処理能力の要件に合わせて柔軟に適応できる設計としています。
設計においてどのような課題に直面しましたか?
新しい機械プロジェクトに伴うさまざまな機械的課題に加え、今回は特に高い柔軟性が求められました。そこで、堅牢性と柔軟性を両立させるアプローチを採用しました。円滑な搬送システムと、実証済みの外観異物検査技術を備えたAIMプラットフォームを基盤にしつつ、処理速度を最大600本/分、対応容器サイズを最大250mLへと拡張し、さらにヘッドスペース分析(HSA)や高電圧リーク検査(HVLD)といったCCIT技術を完全に統合しました。最終的には AIM9 全体の設計を見直し、シンテゴンのラインソリューションにシームレスに統合できるよう仕上げました。
このプロジェクトの主要なポイントは何でしたか?
私たちはお客様やパートナー企業と緊密に連携するだけでなく、社内の複数拠点と共創しながら、あらゆる専門知識を製品設計に最大限取り入れています。私は3年前に日本へ赴任するまでは、ドイツ・クライルスハイムの拠点で勤務し、ALF 5000 という充填・打栓機の開発に携わっていました。今回の AIM9 の設計では、フィル・フィニッシュと検査の両チームと密接に連携し、さらにビジョン技術のスペシャリストと機械設計エンジニアの間での精密な調整が不可欠でした。その結果、シンテゴンのデザインコンセプトに完全に適合するだけでなく、これまでシンテゴン検査機の使用経験があるお客様にとっても、さらに操作しやすい機械が完成しました。
この開発がお客様にもたらす価値とは何でしょうか?
先ほども触れたように、操作性の向上はお客様にとって大きなメリットです。たとえば、他の シンテゴン検査機と共通した設計思想に基づくサイズチェンジ部品により、扱いやすさが向上します。さらに AIM9 は、機械的にも外観的にも、ライン全体のコンセプトにシームレスに統合できます。もちろん、処理速度の向上や CCIT 技術の統合も大きな利点です。しかし何より重要なのは、シンテゴンが持つ豊富な導入実績、数十年にわたる経験、シームレスなライン構築のノウハウ、そして一貫した顧客視点—これらが組み合わさることで、他にはない価値を提供できるという点です。
AIM9のメリット
- 高速処理: 最大600本/分の処理能力
- CCIT統合:リーク検査機能を完全統合
- 安全な搬送:実績ある搬送システムによる安定したハンドリング
- 高い柔軟性:最大250 mLのバイアルに対応、サイズチェンジも容易
- モジュール性:検査ステーションを1~3基で構成可能
- 幅広い製剤に対応:液剤と凍結乾燥製剤を同一プラットフォームで処理が可能
今後について、どのような見通しを持っていますか?
現在は新型AIM9をリリースし、お客様からのフィードバックをいただけることをとても楽しみにしています。同時に、私たちは検査システムのさらなる進化にも取り組んでいます。具体的には、AI の統合を一層進め、EU サイバーセキュリティ法への完全準拠に向けたソフトウェアの更新、そしてカメラ検査技術のアップグレードを進めています。こうした取り組みにより、私たちの検査プラットフォームが常に最新の状態を保ち、お客様が必要なときに“未来に備えられる”環境を確実に提供していきます。